手術室サプライは2階に位置しています。 手術室は3室から5室へ増設されサプライは電気式オートクレーブ、LTSF滅菌器を新たに導入しました。
スタッフは看護師、MA併せて32名で年間約3,400件の手術を行っています。
手術医療の進歩により、高度な手術が増加し、麻酔・手術に使用する器械は複雑化しています。
手術看護師は、解剖を理解しながら、術式に応じた必要なスキルや知識を習得しつつ、術前・術後訪問を通じて、不安を抱えながら手術に臨む患者さんの気持ちに寄り添い、個別性に応じた安全・安楽な看護が提供できることを目的に日々手術看護を実践しています。
また、サプライでは手術器械、材料の確実な洗浄・滅菌を実施し、安全な医療器材の提供を実践しています。
私たち手術室看護師及び周術期管理チーム看護師は専門に特化した知識や技術を提供できるよう日々、自己研鑽しています。 そして、常に手術を受ける患者や家族に寄り添い、個別性のある看護を提供することを目標としています。
2021年度より2020年改定版を当院独自に活用
改訂版は、JNAラダーの看護実践能力の核と手術看護の専門性と独自性を組み込んだものとなっており、さらに組織役割遂行能力としてマネジメント、リスクマネジメント、教育、研究、倫理、社会性などの項目および行動目標が設定されています。
スタッフー人ー人が自分の知識・技術を振り返るためのツールかつ、レベルごとの指標に基づく目標管理やキャリアアップに繋げています。
月 | 到達目標 | 進行予定術式 (器械出しのみ) |
器械出し: 必要な知識・技術 |
手術室スタッフ: 必要な知識・技術 |
簡易勉強会 |
---|---|---|---|---|---|
4月 |
|
社会人として 手術室の環境調整 |
手術室の概要 手術室看護師の役割 電子カルテと記録、教育体制 感染対策、術前・術後訪問 |
||
5月 |
|
手洗い後、ガウンを着用し見学 | 消毒の種類 インジケータ・滅菌物の種類 |
麻酔関連(薬剤含む) 静脈留置カテーテルの挿入と介助 挿管と抜管介助 |
医療機器、 手術看護倫理① アレルギーと禁忌 災害対策 |
6月 |
|
手根管開放術、腱鞘切開術、ピンニング 腰椎椎弓切除術、ヘルニア摘出術(Love法) A/S(半月板切除術) |
物品の準備と器械展開 器械の渡し方(糸針含む) ガーゼと針カウント パワーツールと鋼線の取り扱い 鏡視下手術の物品類の取り扱い |
ME機器接続(電メス・吸引・タニケット) 膀胱留置カテーテルの挿入 鏡視下機器の接続 |
2年目考案勉強会 |
7月 |
|
内視鏡下ヘルニア摘出術(PELD) 内視鏡下脊柱管拡大術(PEL) A/S(半月板縫合術) |
鏡視下手術の物品類の取り扱い 光学視管の取り扱い 止血剤の理解と取り扱い方法 スクリューの種類 |
各部屋のセッティングと手術体位 ドレーンの種類 |
シミュレーションで学ぶ手術体位 |
8月 |
|
内側側副靭帯損傷手術(MCL) 離断性骨軟骨炎手術(OCD)神経剥離術、対立再建術 靭帯修復術(上肢) |
検体・移植片の取り扱い インプラントの取り扱い アンカーの理解と取り扱い |
ギプス・シーネ作成 硬膜外麻酔の介助 ME機器接続(自己血回収装置) |
患者疑似体験 |
9月 |
|
ORIF(前腕)(上腕)(肩鎖)(下肢) 鏡視下腱板修復術(ARCR) |
インプラントの理解と取り扱い | ME機器接続(内視鏡関連) 術前・術後ラウンドの理解 コミュニケーション能力 術前・術後訪問への同行 |
危険予知トレーニング |
10月 |
|
頚椎椎弓切除・形成術(ELAP) | 頚椎手術の特徴 | 各部屋のセッティングと特殊体位 (牽引ベッド・ビーチチェア体位) |
|
11月 |
|
ORIF(髄内釘) 胸郭出口症候群手術 |
様々なメーカーの器械の特性や特徴 | 血液製剤の取り扱い | |
12月 |
|
今までに経験した術式の経験値を上げる期間 | 今までに習得した内容を深く学ぶ 解剖・術式の適応や根拠など |
||
1月 |
|
||||
2月 |
|
前十字靭帯再建術(ST法) 内視鏡下椎間孔拡大術(PECF) ORIF(応用編) |
術式の理解の徹底 | 術前ラウンド (フォロー付きで開始) |
|
3月 |
|
1年目で習得すべき術式の再確認 | 周術期関連 知識確認テストVol.1 実施 |
※個人の取得状況に応じて、ステップアップ
月 | 到達目標 (器械出し) |
到達目標 (外回り) |
進行予定術式 (器械出し・外回り) |
必要な知識・技術 | 簡易勉強会 |
---|---|---|---|---|---|
4月 |
|
|
器械出し:人工膝関節置換術(TKA) 外回り:抜釘術、神経剥離術 ORIF(前腕・下腿)、アキレス腱縫合術 ヘルニア摘出術、腰椎椎弓切除術など |
外回り看護(基礎) | |
5月 |
|
|
器械出し:鏡視下上方関節包再建術(ASCR) 外回り:TKA、ELAP、PLIF、PELD、PEL ARCR、TOS、半月板切除・縫合 外来局麻手術など |
インプラントの取扱い (外回り) |
|
6月 |
|
|
器械出し:人工肘関節置換術(TEA) 人工指・趾関節置換術 外回り:RTSA、TSA、UKAなど |
手術看護倫理② | |
7月 |
|
|
器械出し:人工関節単顆置換術(UKA) 外回り:ACL、MCL、OCD、HTO、PECF ORIF(上腕・足関節)など |
ギプス・シーネ固定の注意点 | |
8月 |
|
|
器械出し:人工骨頭置換術(BHA) 外回り:ORIF(髄内釘)、BHAなど |
||
9月 |
|
|
器械出し:人工股関節置換術(THA) 外回り:人工指・趾関節置換術など |
残番業務の説明 | |
10月 |
|
|
器械出し:高位脛骨骨切り術(HTO) 前十字靭帯再建術(BTB法) 外回り:ASCR、TEAなど ※残番勤務開始(フォロー付き) |
看護記録 | |
11月 |
|
|
器械出し:人工肩関節全置換術(TSA) リバース型人工肩関節置換術(RTSA) 外回り:ASFなど |
||
12月 |
|
|
器械出し:創外固定術、人工橈骨頭置換術 血腫除去術 外回り:TSA、RTSA、血腫除去術など |
手術看護倫理②´ | |
1月 |
|
|
器械出し:現時点で自立している手術の再確認 *経験の少ない術式を希望すること 外回り:現時点で経験している手術の再確認 *外回り看護の質の向上を目指す ※残番の自立は取得状況に応じて検討 |
||
2月 |
|
|
|||
3月 |
|
|
周術期関連 知識確認テストVol.2 実施 |
※個人の取得状況に応じて、ステップアップ
月 | 到達目標 (器械出し) |
到達目標 (外回り) |
進行予定術式 (器械出し・外回り) |
必要な知識・技術 | 簡易勉強会 |
---|---|---|---|---|---|
4月 |
|
|
器械出し:TKA(再置換術) | 再置換術で使用する器械 | 外回り看護(応用) |
5月 |
|
|
外回り:PLIF(多椎間)、PSO(矯正骨切り術) |
輸血準備から実施の流れ キューサーの取扱い 経過記録の記載方法 |
|
6月 |
|
|
器械出し:THA(再置換術) 外回り:PLF、XLIF・OLIF(前方進入) |
再置換術で使用する器械 個別の看護とは 神経モニタリングの操作 Oアーム使用時の流れ |
フィードバックと リフレクション |
7月 |
|
|
外回り:THA(再置換術) | 再置換術で使用が予測される器械・材料とは何か | |
8月 |
|
|
外回り:脊髄腫瘍摘出術 | マイクロ、キューサー 潅流液、リガクリップ 特生物(スプレー)取扱い |
|
9月 |
|
|
手術室看護師クリニカルラダー 「当院における看護実践に必要な知識」の知識と看護実践能力の向上に努める
|
||
10月 |
|
|
|||
11月 |
|
|
|||
12月 |
|
|
|||
1月 |
|
|
|||
2月 |
|
|
|||
3月 |
|
|
周術期関連 知識確認テストVol.3 実施 |
※個人の取得状況に応じて、ステップアップ
自らの治療について学び、治療に対し、意欲的かつ安心して自らの治療に参加する機会を創る
手術が決定した患者・家族に対して、予定通りに入院・手術を実施するために、入院前から情報収集や情報提供、不安の緩和、オリエンテーションに加え、術前検査、内服確認を他職種で連携を図り、入院・手術へ向けた準備ができるよう支援する外来。
手術室看護師として、患者さんが安心・安全に手術へ臨めるように手術の流れや二次合併症予防への取り組みの説明を行っています。
患者自身も医療チームの一員として参加していただき、手術室看護師は手術への準備をサポートします。
手術室の看護師は手術を受ける患者様に対して"術前訪問"を行なっています。
術前訪問を行なうことで、患者様は手術室入室時に顔見知りの看護師がいるということに安心感を得ることができます。
また、術前訪問は患者様の声や表情を直接見る機会となり、明確な情報収集を行なうことができるため、より質の高い看護を提供することができます。
手術後、手術室看護師が病室に訪問し、手術を受けた際に気付いたことや苦痛・不快に思われたこと、要望等を患者さんから直接話を伺います。
貴重な意見を今後の手術室看護に活かしていきます。
Q:慶友整形外科病院に入職を決めた理由を教えて下さい
A:インターンシップに参加した際、病院全体の雰囲気は明るく働きやすそうな職場だと感じたことです。
また、実際に手術室を見学し、スムーズに器械出しを実践している先輩をみて、医師と同じ目線で手術に立ち合えるような看護師になりたいと思い入職を考えました。
その他にも地域の方々から厚く信頼されていることや私自身が生まれ育った街で働きたいと思い当院に入職を決めました。
Q:手術室看護師としてのやりがいとは?
A:手術前に患者さんのもとへ伺うと「すべてお任せしますのでよろしくお願いします」と言われることがあります。
看護師として信頼してもらえたという嬉しさと共に患者さんの命を預かるという重要な役割を任されたと責任を感じます。
緊張感はありますが手術が無事に終わった時は達成感とやりがいを感じます。
また、多くの手術を経験し医師に「器械出しが上手になったね」などとお褒めの言葉を頂いた時は大変嬉しい気持ちになり、手術室看護師として少しずつ成長できていると感じます。
Q:当院の手術室の雰囲気を教えて下さい
A:スタッフ全員がどのようにすれば患者さんにとって良い看護を提供できるのかを常に考えながら仕事をしています。
カンファレンスではスタッフが実践した看護を振り返り良かった点や改善点を共有したり、意見を出し合い「看護の質」の向上を図っています。
Q:入職を考えている看護師や学生へのメッセージをお願いします
A:手術室配属は学校では習わないことも多く大変だと思っていましたが、プリセプターや先輩スタッフが親身にサポートしてくれます。
専門的な器械の取り扱いや医師とのコミュニケーションなど優しくアドバイスをしてくれました。
また、年の近いプリセプターがいることですぐに相談できたので、不安なことや悩みを乗り越えられました。医師も皆、手術のことから苦手な解剖学的なことまで丁寧に教えてくれるので新人看護師でも働きやすいと思います。
患者さんにココで手術してよかったと思ってもらえるよう、私たちと一緒に一人前の手術室看護師を目指しませんか?
Q:慶友整形外科病院に入職を決めた理由を教えて下さい
A:私は幼少期よりスポーツをしていたことから怪我に悩まされました。
そのことから、整形外科関連の治療や手術、リハビリテーションに大変興味がありました。
その思いから、スポーツをしている人に携わりたい、支援したいという気持ちが強くその全てを網羅している病院が慶友整形外科病院でした。
プロアスリートも診察しており、全国トップクラスの病院であると認知していました。自分もその一員として仕事をしたいという思いで入職を決めました。
Q:手術室看護師としてのやりがいとは?
A:様々な術式を習得していくことや、手術介助が自分なりにうまく出来た際は、成長を実感できるとともにやりがいを感じます。
また、疾患によっては術後すぐに、術前の痛みやしびれが軽減していることがわかるので、その回復過程を直にみられることに喜びを感じます。
意識下で患者さんと接する時間は病棟看護師よりも短いかもしれませんが、その中でも患者さんと信頼関係を築いていくことに日々考えつとめています。
Q:当院の手術室の雰囲気を教えて下さい
A:看護学校等での周術期関連の実習や授業量の削減や手術室勤務の経験者が少なく正しい情報を得ることが少ないため、「手術室」と聞くとどうしてもネガティブな印象を持つ方が多いかと思います。しかし、当院の手術室は世間の情報とは異なり、明るい雰囲気だと感じています。
スタッフ同士でコミュニケーションをしっかりとれていることがその要因だと思います。患者さん一人一人に最善な看護の提供、安全に手術を終えるためには、どのようにすれば良いか、常に情報共有を図りながら取り組んでいます。
また、ひとりひとりが、自己研鑽を怠らず看護している姿は、スタッフ間でも良い刺激になっており良きライバルでもあります。
Q:入職を考えている看護師や学生へのメッセージをお願いします
A:手術室は初めての経験がたくさんあり、悩みや不安になることがあるのは当然なことだと思います。そのような中でも働きやすい環境作りを当院は意識しており、気軽に悩みや相談をできるような取り組みも行っています。
仕事だけではなく、社会人としても成長できるのは「慶友まごころフィロソフィー」を胸にやるべきことを考え行動するスタッフの多い手術室だと思います。また、年々手術件数も増加しており、整形外科単科の病院としては全国トップクラスです。
整形外科単科としての強みを活かしつつ、個人としても知識・技術の向上につながる職場だと思いますので、是非一緒に医療チームとして働きましょう。
Q:慶友整形外科病院に入職を決めた理由を教えて下さい
A:中学生の時の職業体験です。また、この職業体験をきっかけに看護師の道へ進もうと思うようにもなりました。PNSでの看護に衝撃を受けたのを覚えています。情報共有し、二人でアセスメントできるため質の高い看護へ繫がると感じました。また、元気な挨拶やスタッフが笑顔で働いている印象が大きかったのも入職のきっかけと繫がりました。
Q:手術室看護師としてのやりがいとは?
A:人生の一大イベントでもある手術で患者さんの回復過程に携われることです。
患者さんのすぐ近くで手術成功へ導く手助けができることを嬉しく感じています。
実際に疼痛で夜も眠れなかった患者さんから「手術して良かった。すごく楽になったよ」と言われたときは嬉しかったです。患者さんとコミュニケーションをとる機会が少ない現場ではありますがスタッフ・他職種と情報共有し安全に手術が行えるよう心がけて働いています。
Q:当院の手術室の雰囲気を教えて下さい
A:患者さんにとって安全で安楽に手術が行えるようにスタッフ間で改善点や反省点等を共有し、知識・技術の向上に繋げていると感じます。
また、周術期管理チーム看護師取得者も多くいるため専門性の高い知識を学べる環境であると思います。
Q:プリセプターとして気をつけていることは?
A:少しでも楽しいと感じてもらえるように、関わりを通してプリセプティーの考えや行動を尊重し、接することを大切にしています。事前に分からないことや確認が必要なことは話し、手術中は必要以上に手を出しすぎないように心がけ、終わった後に振り返りやアドバイスをし、次の目標に繋げられるように接することを心がけています。
Q:入職を考えている看護師や学生へのメッセージをお願いします
A:私自身、看護師1年目で当院の手術室に配属になり、何もかもが初めての経験であり不安でしたが、困ったときや悩んだときに相談できるプリセプターの存在があったため乗り越えられたと感じています。また、周りのスタッフの目も行き届いているため、何かあったときに相談できる環境がとても働きやすいと感じました。
手術室経験の有無に関わらず、整形外科のスキルアップをするための環境は整っているので少しでも興味がある方は是非一緒に働きましょう。