研究センター

慶友膝関節センター

膝関節とは

膝関節は、大腿骨、脛骨、膝蓋骨によって構成されており、大腿脛骨関節と膝蓋大腿関節に分けられます(図1)。
骨と骨が接する関節面は関節軟骨で覆われており、関節面にかかる圧の緩衝や関節の動きを滑らかにする働きをします(図2)。さらに、大腿脛骨関節には半月板といわれる半月状の軟骨が存在しており、関節の適合性および安定性の向上や関節にかかる圧の緩衝などの働きをしてくれています(図2)。
関節は関節包という組織で包まれており、その内側は滑膜といわれる組織が存在しています(図2)。滑膜から関節液が生成されることによって、関節内は関節液で満たされており、関節軟骨への栄養供給や関節内の潤滑油として作用します(図2)

膝関節とは

治療について

外傷や変性、病的変化、先天的形態異常によって関節は様々な症状を引き起こします。膝関節センターでは、膝関節の専門による徒手検査や画像診断などによって、最善の治療法を選択し提供しております。
治療方針としては、保存療法と手術療法に大別されます。
保存療法とは、手術をしない治療のことで、注射や内服薬などの薬物療法や筋トレやストレッチなどの運動療法、装具療法などを含みます。主に臨床症状や関節内の構造的変化が軽度の方が対象となります。近年では前述した治療法に加え、再生医療としてPRP(多血小板血漿 : Platelet-Rich Plasmaプレートレットリッチプラズマ)療法なども行われるようになってきました。
手術療法とは、文字通り手術による治療になります。臨床症状が強く、関節内の構造的変化が高度の方が対象ですが、手術方法や手術手技は、膝の状態によって異なります。
以下、当院の膝関節センターにおける手術対象となる代表疾患になります。

当院では関節内および関節外に対するPRP療法も行なっております。

PRP療法について

PRPとは

概要

PRP

血液の中には、成長因子などの良いタンパク質や、逆に炎症や軟骨破壊を促進する悪いタンパク質が含まれていることが知られています。その中でも血小板には成長因子が多数含まれており、この成長因子は組織修復のプロセスに関与していると言われています。
PRPとは多血小板血漿Platelet-Rich Plasma (プレートレットリッチプラズマ)の略で、PRP療法では遠心分離によって血液から成長因子を多く含む血小板や細胞の栄養素などを含む血漿が取り出され、治療に用いられます。

治療目的

PRPに含まれる血小板が活性化した際に放出する成長因子が非投与部位の細胞に作用し、抗炎症、細胞の遊走、細胞の増殖、血管の新生、細胞の分化促すことを目的とします。

対象疾患例:変形性関節症、関節内軟骨損傷、半月板損傷、関節炎 …

方法

※すべての治療は当日中に完了します。上記の①〜③の流れは15〜30分程度で完了します。

注意点

  • 患者様ご自身の血液を使用するため体調や年齢などに左右され、場合によっては安定した効果が出にくいといった欠点があります(治療効果・効果の持続期間には個人差があります)。
  • 注射後3~4日後は、細胞の活発な代謝が行われますので腫れやかゆみ、赤みや痛みが出るなどがありますが、その後自然に消失していきます。
  • 採血部位・治療部位に皮下出血が起こる場合があります。
  • 投与後、数日間は血流の良くなる活動(長時間の入浴、サウナ、運動、飲酒など)を行うことで、治療に伴う痛みが強くなることがあります。ただし、この痛みが強くなったからと言って、治療効果に差はありません。
  • 関節は細菌に弱いので、清潔に保つよう心掛けて下さい。治療部位の感染を防ぐため、当日の入浴はお控えください。
  • 治療当日の激しい運動や飲酒、マッサージなど治療部位に刺激が加わるようなことはお控えください。

費用

本治療は、すべて自費診療であり、健康保険を使用することはできません。本治療にかかる費用は、治療に伴う診査、自家PRP調製のための採血にかかる費用、自家PRP調製費用、注入の総額となります。
小白血球多血小板血漿(leukocyte poor PRP:LP-PRP)の場合は、PRP療法1回 20,000円となります。

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